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3.3造船用フレームライブラリ

3.2.1で述べたように、CFL、EFL、BFLの三種類に分けられたフレームライブラリ(FL)のうち、組立産業にとって汎用的なオントロジを表現しているのがCFLであり、組立産業に属する各業種、更には各社それぞれ固有の部分のオントロジを表現しているのがEFLである。ここではCFL、EFLの開発方法、および開発したCFL、EFLの概要を述べる。
3.3.1フレームライブラリの開発
FLの開発は大きくは下記の二つのフェーズに分けることができる。
?対象範囲の決定と対象範囲内の知識の体系化(オントロジの開発)
?オントロジのクラスライブラリ化(オントロジのプログラミング)
これらの各フェーズについて以下にその内容を述べる。
(1)対象範囲の決定と対象範囲内の知識の体系化
1番目のフェーズであるオントロジの開発は、平成4年度〜5年度にかけて行われた「造船業CIMフレームモデルの開発研究」の成果物である「フレームモデルの設計書」をべースとして昨年度に実施された。このオントロジの開発に当たっては、代表的なオブジェクト指向ソフトウェア開発方法論であるOMT法(Object Modeling Technique)をべースとして独自に開発したフレームモデル開発手法に、さらにSTEPのAP開発手法の一部を取り込むことによって新たに改良を加えた独自の開発手法を用いた。実際の開発においては、フレームモデルの設計書をたたき台とするものの、それをそのまま使うのではなく、組立産業汎用と言う点を念頭に置いて業務分析から再検討した。具体的には図3.3−1に示すように、「BB(Building Block:再利用が可能な関連の深いオントロジのかたまり)への分割」、「業務分析」、「機能要求の検討」、「BB間の関係の整理」、「データ構造および機能の検討」、「組立産業汎用部分の抽出」といった手順で進められた。このような手順を経ることによって完成度の高い組立産業におけるコモンオントロジ、およびそれに造船業で共通に使える拡張部分の一部を含めた造船業コモンオントロジ(CFL+造船用EFL)が構築できた。図3.3−2は、そのCFLやEFLの相互関係を示す模式図である。
業務分析の結果はSTEPの開発手法にならってIDEF0で表現したAAM(Application Activity Model)であり、その例を図3.3−3に示す。機能要求の検討結果も同様にUoFとして図3.3−4に例を示すようなものに整理した。ただし、UoFに関しては、STEP

 

 

 

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